トレイルライド日記

自分で計画した行程に基づいて、全国のトレイルやダートへ遠征に行くことが好きです。

10/7-9 MTBツアー#5[飛騨古川-白川郷間周回、神原峠旧道探索、茂住峠(長棟林道)、富山県道67号]

10/7-9で岐阜県北部&富山県MTBツーリングに出掛けた。

昨年の同じ時期に飛騨古川から白川郷に抜けた道が、MTBで走っていてとても楽しかった。今回はまずそのコースを辿り、白川郷からはR360天生峠と旧r90(現在は県道指定を外されてただの白道に降格)小鳥峠で飛騨古川に戻ってくる行程を組んだ。

野宿道具などを入れたバックパックは、10/7の晩に野宿した道の駅の物陰にデポり、普段京都で走っているような、何も背負わない最軽量スタイルで、飛騨の100kmの周回を走る予定だ。

今夏は信州でこの「荷物をデポる」作戦を何度も実行したが、何も背負わないレベルまで軽量化したのは初めてだった。


ちなみに10/7の23時頃に道の駅に着いたら、何やら見覚えのある自転車とザック、それにシュラフに入ってタブレットをいじっている男が一人...。


自転車部の後輩の山さんでした。


お互い、今日この日にこの道の駅にいる予定だとは知らず、めっちゃ驚いた。


シクロに登山用ザックという出で立ちだけで、超高確率で自分の所属する大学自転車部の関係者だと分かってしまう。


彼は明日から北アルプスを担いで、数日間縦走した後に信濃大町から帰り、その数日後
からモンゴル西部にソロツーリングに出掛けるらしい。


休学中という立場を存分に生かして、現役生時代以上に、日本全体のサイクリストの中でもトップクラスにアグレッシブな自転車ライフを謳歌している後輩である。


今後の活躍ぶりに熱いエールを送りたい。


それに対して自分は、「悪路で悪戦苦闘しながら泥だらけになって走るのは大好き、でも夜には温泉に入って、コンビニかスーパーがある街で買出しをして、好きなものを好きなだけ食べて寝たい」というこだわりを持ち、一見して野生児っぽいが実体は文明の利器から完全には離されたくない我儘な現代っ子という矛盾を抱えている存在なので、彼ほどアグレッシブにはなれない。

達成感と幸せを同時に達成できることを追求する合理主義者というとカッコイイかな...?

何はともあれ、ツアーのレポートへ。

 

10/8は朝7時過ぎにスタート。

走っていた途中のバス停は、昨年の某アニメ映画のワンシーンで登場するもので、聖地化していた。

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このバス停そばにある分岐を完全にスルーしてしまい、5kmほどロス。

昨年来たことがあるので、記憶に完全に頼って地図を見なかったのが問題だった。

分岐に戻ってからヒルクライムを開始。

昨年の印象とは違い暑いので、アームウォーマーもレッグウォーマーも脱いだ。

 

楢峠

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しっとりした古道の赴きさえ見せる楢峠は大好きだ。峠を越えた富山方面は紅葉が始まっており、思わず見とれてしまった。

富山県道34号>

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開かずのダート県道。ダート区間途中で測量の人が仕事をしていた。今後再整備がされるのだろうか。

このダート区間が終わると、洗い越しのオンパレードに。しかも昨日までの雨で水量は多い。昨年はこの区間でチェーンオイルが完全に洗い流されてしまい、以後のライドで不快な思いをしたので、今回はチェーンオイルを持ってきた。余裕しゃくしゃくで洗い越しに突っ込んだ。

その後牛首峠を下って白川郷に10時30分頃到着。デイリーで30分の大休止。

<天生峠>

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天生峠もまた紅葉が美しく、また空も晴れ始めて楽しいヒルクライムだった。序盤~中盤は複雑な道の付け方だが、終盤はほとんどフラットで小川沿いを走る感じで、峠は駐車場があり予想以上ににぎわっていた。

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<小鳥峠>

天生峠を降りてから、下小鳥ダム沿いの道を流して南下し、旧r90こと小鳥峠へ。

この道は、行程企画段階で関西マップルを眺めていて「天生峠降りてからR360を流して飛騨古川まで行くのもなんだかなあ」と思っていたところで発見した道で、楽しみを残すためにそれ以上下調べをせずに突っ込んだ。

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 結果は、下調べをしなかったことがプラスに働いて、色々と新鮮な驚きと楽しみを与えてくれる峠道だった。

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狭い一車線の道を登っていると、峠周辺で景色が開け、さながら高原のような感じに。後で調べたところによると、この近辺に飛騨牛の牧場があるとのこと。さらに峠付近には人家が。

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峠の雰囲気も良く、下っていると北アルプスも望めた。人里離れた深山を走る天生峠よりも人の営みが近いところに感じられて、この峠も、個人的にとても好きなタイプの峠道だった。

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<神原峠>

こうして100kmの空荷の周回を終えて飛騨古川の道の駅に舞い戻り、デポった荷物を回収。時間は15時手前くらいだったか。

その後、旧R41ことr75を30kmほど流して、今晩泊まる神岡町まで向かった。

が、途中にある神原峠という200upくらいの峠の途中でこんな看板を発見。

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今登っている道には、昭和旧車道・明治馬車道が残っているということで、途端に探索欲が湧いた。

しかも、現車道自体が国道の旧道だというのだから、R41飛騨古川ー神岡間は、4世代分の道が今も残っているということになる。

 

あいにくこの看板は道の線形がかなり適当で、現車道にウネウネと交差しているように描かれている昭和旧車道は見当たらなかった。現車道の擁壁工などに取り込まれてしまったのか...?

そこで、峠のトンネル付近にある、旧車道トンネルと明治馬車道の峠を急遽探索することに。

まずは旧車道トンネルへ。

現道との分岐から先を登るとヤブだらけになったが、そこに旧ヘキサが。

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その先には閉塞させられた旧トンネルも。

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ヤブから山に向けて赤テープがあったので、斜面を登ったら旧明治馬車道にも出られた。が、草が結構茂っていた上に泥でぬかるんだ路面だったので、明治馬車道を峠までいくことは出来なかった...。

現道に戻ってトンネルを越えると、向こうには新しい看板が。

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教養が深まります。

今考えれば、この看板にある林道神原・数河線を辿れば、旧神原峠まで行けたんじゃないかと少し後悔している...。

予期せぬ神原峠探索でいい感じに夕方になったので、神岡町に向かい、温泉に入ってバローで夕飯を買い、道の駅で寝た。

充実した一日だった。

 

<茂住峠(長棟林道)>

翌9日は6時30分頃に道の駅を出発。

東茂住集落から茂住峠を登る。

登り始めて早々からダート化し、興奮した。

峠までの800up中、750upはずっとダート。峠を越えてからもダート。このご時勢に貴重な全ダートでの峠越えの道である。

しかも道は茂住谷というスケールの大きな谷の斜面を延々と登っていく道で、川沿いを微アップする区間はどこにも無い。王滝の鞍掛峠の岐阜側に近いダイナミックな線形なことにも、走っていて驚いた。

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峠にはこれといった標識は無かったので、休憩だけして下った。

後で調べたところ、峠から少し斜面を登ったところにお地蔵さんがあったらしい。

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下っていくと、山深い南紀の様なダートが続く。

ずっと川沿い微ダウンであるが、下っていくにつれて谷が深くなり、川が遥か下を流れるようになる。

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トンネルの脇には土石流危険渓流が。

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林道脇にこんな素晴らしい滝(しかも二段の滝だった)もあり、景色の変化にも飽きることが全く無い。

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最後は川沿いを離れ、20upくらいして檜峠に着いたら、あとは集落地帯まで全ダウン。

最後の最後までダートを存分に堪能させてくれる道でした。ダート区間は35kmくらいあったんじゃないかな?

林道を降りた先の集落を結ぶ道は、古道の面影を残す良い道。

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途中で小さな峠越をしてr67へ。

この峠越えの入り口がかなり分かりにくく、2kmほど道を行き過ぎてしまった。

地図上での道の描き方が心もとなく、荒れたダートかと思っていたが、実際は入り口以外は綺麗に舗装された林道だった。が、メンテをされることが少ないようで、落ち葉がものすごい区間もあった。

峠からは富山市街方面を臨めた。

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富山県道67号>

さて、ここからが今ツアーのデザート的扱いであるr67へ。

マップル上では途中が点線区間になっており、「通行不能」とのコメントが。

楽しみを残すために下調べは一切せずに臨んだ。

走ってみて、色々と規格外に狭すぎて笑ってしまった。

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古道にそのまま舗装路をつけた感じの道である。狭隘区間入り口には「この先軽自動車なら通れます」との標識が。こんな狭い、車もほとんど通れない道が主要県道扱いということは、やはり往時は人の往来が盛んだった、この地域には重要な道だったということだろう。

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途中には3本の隧道があり、いずれも極めて狭い。

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この2本目の隧道は2段構えである。

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最後は富山市街まで暑い中走り、13時過ぎに鈍行(秋の乗り放題パスを使用)で帰京。

ついぞ自転車ツーリングでサンダーバードに乗ることは無かったのであった...。

今回のツアーでは、完全に空荷で長距離を周回することの身軽さを感じた他、下調べをあえてせずに走った道のインパクトも非常に強烈で、今後のツーリングでもこうした、楽しみを残した状態で走る行程を組んでいきたいと思った。

 

おしまい。