8/22~28 MTBツーリング#4[信州強化ソロ合宿] 6日目(川上村~三国峠~奥秩父林道~十文字峠尾根~大滝村~御岳山林道~秩父)
信州ステージ最終日のこの日(28日)は川上村での寂しいソロ野宿からの寂しいソロ奥秩父林道(廃道)という、寂しさに加えて未知数な道路状況、熊との遭遇の危険性など、不安と緊張感あるスタートだった。
3年前の9月に川上村に来た時は、防寒装備をなめた状態で川上村ソロ野宿して、寒さに大いに苦しめられた。
3年後の今回も防寒装備について進展は無く、むしろ軽量化で一層削ってしまった。
事前に寒さを覚悟していただけに3年前程の精神的ダメージは無かったが、睡眠不足であることに変わりは無かった。
同様に警戒していたザトウムシの襲撃は今回は無かった。
朝イチで三国峠を上る。3年前はガスガスだったが、今回は穏やかに晴れて景色は素晴らしかった。
続いて、今年に入ってからずっと通行止め状態の中津川林道を下ったが、3年前に上った時と比較にならないくらい荒れていた。復旧作業車も入らず放置されている感じで、このまま廃道にならないことを祈るばかりだ。
400downほどしたところにある、有名な林道立体交差地点に到着。ここから奥秩父林道に入る。
「通行止めの林道の中で分かれている万年通行止め状態の林道」という、廃道というビジョンしか見えない奥秩父林道。しかもクマ目撃事例多数、奥秩父の原生林という僻地の中の一本道をソロで登る。寂しさ以上に色々と緊張した。
途中、何箇所か押しでないと突破出来ない崩落があった。そうした箇所は決まって「落石注意」の看板があって、写真には取り損ねたが一部の看板は落石に埋まり、あるいはへし折られ、危険性を身を以って体現していた。
後半、展望が良い箇所から断崖絶壁の斜面をトラバースする。そのトラバースセクションが終わったところに、十文字峠尾根へ行く登山道がついていた。
奥秩父林道はこの先にも続いており、十文字尾根に乗ったところで終点を迎えるが、この登山道分岐より先の奥秩父林道は崩壊が今までの比ではないほど多く、しかも危険な箇所が多いらしいので、この登山道を使って尾根まで行かなくてはならない。
だがこの登山道は、「山と高原」の地図では赤い破線表記で、しかも十文字峠尾根から奥秩父林道に降りて歩いて下るという行程。自分のように、MTBで奥秩父林道を詰めて尾根に登る人くらいしか需要は無さそうで道の状態を不安視していたが、実際にはそんな不安は杞憂だった。
登山道はかなりよく整備されており、100upほど担いであっさり十文字峠尾根に着いた。十文字峠小屋などの有志の方が、この道もついでに整備されているのだろうか。
あとはよく踏まれた、13kmの長い尾根道を自転車と共に歩いて、最後6km800downほどの超絶ノリノリトレイルをダウンヒルするだけだ。
「2里観音まではほとんど乗車できない」という事前情報を掴んでいたが、京都で鍛えた乗車テクと、軽量化した装備の両方があれば、2里観音までの間にも思ったより乗車できる箇所はあった。
尾根道の途中で、自分が途中で別れた奥秩父林道の成れの果てに合流。
標高1800m程の鞍部まで登り詰める、壮大な規模な林道であった。この道が現役だった時代に、ここまで車が来ていたと思うと胸が熱くなる。
道にコケの生えたヒノキやツガの原生林を走っていると、ふと昨夏に訪れたウィスラーのトレイルを思い出す。
2里観音の手前に、この尾根道で唯一の難所らしい難所があった。が、ソロでも普通に突破できた。
大展望の「のぞき岩」。この先、白泰山をトラバースし終えて尾根に再び乗ったら、ノリノリのダウンヒルが始まる。
乗車率100%で楽しさしか無い。
信州ツーリングのフィナーレにふさわしい最高のダウンヒルだった。途中で1箇所、林道に合流したが、その先のトレイル分断区間もしっかり走り切って、十文字峠尾根を完走(十文字峠を経由していないので正確には完走ではないが)。奥秩父林道途中から登山道に入って、尾根に登り詰めた時が8時45分頃で、トレイル出口に着いたのが12時ちょうどだったので、コースタイムの半分程度の3時間弱で12-3kmのトレイルを走りきれた。
思えば、かのウィスラー最長トレイル「Comfortably Numb」は17.6kmということで、この長丁場の十文字峠尾根+5kmもあるのかと思うと、改めてその長さに恐れ入る。Comfortably Numbは全部乗れるのに対して、十文字峠尾根は最後の一連のダウンヒルまでは押しばかりなので、しんどさなどの比較は出来ないかもしれないが。
今まで走ってきた尾根道は中山道の裏街道であったらしく、かつての秩父側の関所があったという栃元集落を通って舗装路を下った。
下りきって道の駅大滝温泉に着いて休憩したら13時過ぎ。このまま秩父駅から輪行するにはまだ少し早いかなということで、関東甲信越マップルで「絶景林道」としてオススメされている林道御岳山線へ突入。
最初は斜度15%超のキツい坂。だが、京都にはこんな坂はいくらでもあるし、何より軽装ツーリングの格好なので、そこまで苦しまずに突破。
ダートに入ってから、ピークと思しき場所までは走りやすめのダート。所々、砂利深い場所があるがモリモリ漕げばどうということは無い。景色も良好で天気も良く、楽しいヒルクライムだった。
その後の下りはガレガレ。通行止め扱いされていても全くおかしくないが、下りきった所には特に通行止め表記は無く、一般開放されている林道としては最凶クラスのガレっぷりだった(昨年10月に通った、南紀のイタツゴ奥千丈林道をも凌駕するガレ具合だったと思う)。だが、この下りはガレガレだが29erなら構わずブッ飛ばせるという、29erの威力を最大限発揮できる、まさに29erMTBの引き立て役とも言える林道だった。
あとは国道を流して秩父市街へ。
温泉に入って、帰宅ラッシュをすり抜ける時間帯に横浜市内の実家へ帰った。
本当は実家で2泊くらいしてから、MTBツーリング北関東ステージに移行して、もう4日ほど走る予定だったのだが、あいにくの悪天候により来年以降に延期。
29日は実家でゆっくりして、30日に帰京した。
大学4年生の時に「今後もう2度とすることは無いだろう」と思っていた、18切符で東海道線8時間輪行での帰京。
ほとんどの期間ソロだったけど、行きたかったオフロードを攻略しまくった有意義なツーリングでした。寂しさを克服する精神力も幾らかはついたかも...。
あとは新装備のインプレを。
今回はBlackBurnの大容量シートパックを実戦投入してみたので結果報告。
自分のようなハードなオフロードツーリングをする人間には、このシートパックは幾分使いづらかった。
シートポストとシートパックを固定するマジックテープ(なぜ、丈夫なバックル式では無いのかと疑問に思う)が振動で簡単に外れてしまい、ペダリングする脚にズレたシートパックが干渉した。
トレイルセクションではサドルを下げるとシートパックがタイヤに干渉し、逆にサドルを上げたまま下ろうとすると、腰を引いた時に尻に当たる。
そのため6日目の十文字峠尾根では、担ぎ始めからトレイル出口までの間は、
苦肉の策としてシートパックをザックに外付けして走った。
海外の幾つかのMTBツーリング動画
https://www.youtube.com/watch?v=geHAsfaUngE
https://www.youtube.com/watch?v=upZJpGrppJA
を見ると、途上国などの僻地を数日かけて走る企画などで、こうしたタイプのシートパックが普通に使われている。
彼らは、こうしたトラブルに悩まされなかったのだろうか?
自分のパッキングの仕方が悪いという可能性も大いにあるので、今後、MTBツーリングでこのシートパックをどうパッキングしたらストレスが少なく済むのか研究していきたい。1.2諭吉くらいしたから簡単には手放したくないし...