トレイルライド日記

自分で計画した行程に基づいて、全国のトレイルやダートへ遠征に行くことが好きです。

6/17 1泊1日ライド(マキノ~深坂越~敦賀~サイクリング部12年TQRコース~武生~r248~R476~大野~岩屋林道~河内南谷林道~大聖寺)

就活明け、実に7ヶ月ぶりに輪行して遠征サイクリングへ。

就活中も精神安定のためトレイルに通い続けていたので、チャレンジ坂を突破するスキルやパワーはついていた。

一方で長時間低負荷のサイクリングをこなす体力は衰えていたが、足慣らし期間を挟まずにいきなり遠征へ行くことにした(自分は勝手にショック療法と呼んでいる)。

行き先は北陸をチョイス。本来は紅葉の時期に行く予定だったが、適度に近くて行きやすいということと、一刻も早く体力を回復したいという思惑で、金曜のお昼に「明日の土曜日丸々使って走ろう」と決意。金曜の20時台の電車でマキノまで行って道の駅で仮眠し、土曜を使って走った。

結果は、深坂越トレイル込みで170km+岩屋林道&南河内谷林道(ルートラボで反映できなかった)で、トータル200kmくらいかな?これを朝5時30分~18時の、トータル12時間30分の行動時間で完走。

結果としては完走できたものの、終盤のメインディッシュの岩屋林道までは完全にダメダメ。というか、「丸一日走る」だけではなく「一泊分の荷物を全部詰めたリュックを背負う」負荷も上乗せされているのでキツいのは当然。さらに、走って10kmもしないうちに腰が痛くなったり肩が痛くなった。昨秋アホのように遠征に行きまくっていた際には痛くならなかったので、リュックのベルト長さ調整を繰り返した。特に武生まではちょっと走っては止まってを繰り返して、「本当に完走できるんか?」と不安しか無かった。

他にも、昨日変えたばかりのシフトワイヤーでトラブルがあったりと序盤は散々。

深坂越はいいトレイルだったものの、心に余裕が無かったために心の底からは楽しみ切れず勿体無かった...。このトレイルは滋賀側からアプローチした方が、全く押さずに福井側のノリノリダウンヒルを楽しめるのでオススメ。

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敦賀北東の"木の芽峠トンネル"から池田町までは、自分が所属している大学サイクリング部の耐久ラン(TQR)というレースの2012年Sコースと被る。総走行距離313km,獲得標高4000m超の伝説のコースだ。この年、自分は体調不良でSコースを完走することはおろか2ndCPにすら辿りつくことすら叶わなかった。しかし当時のコース説明会で早とちりした自分は、自分のツーリングマップル上に「まだ走っていないにも関わらず」備忘の観点で事前にマップル上に青線でコースを塗ってしまうという罪を犯していた。

その後、過去のレースの亡霊を追いかけるように、当時のコースの断片を繋いではマップルの青線を走行事実とする行為を繰り返していた。

今回のライドは、そうした活動のを締めくくるのも重要な目的の一つだった。

話を戻して、淡々とそのコースを走ったが、途中で3ケタ県道が入り組んだ場所で道に迷って堂々巡りする等、5年前に皆を苦しめた亡霊に今更悩まされたりした。

途中で武生バイパスのコンビニで休憩。このバイパスからはなんと、雪を冠った白山がドーンと見えてモチベーションが上がった。また、奮発して500円のナポリタンも食して元気を出した。

そこからは、これまたTQRのコースだった福井県道248号へ突入。離合区間が一切無い、完全1車線の杉林の中の道だ。

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人工林内の下層植生が軒並みニホンジカに食い荒らされている京都北山を見慣れている身としては、緑が滴るかの如く草や低木が繁る人工林を見ているとホッとする。途中まで完全舗装だが、池田町側はちょこっとダートが残っていて満足した。といっても、細かい砂利の、よく手入れされたダートだが。あとこの道は明治馬車道の影響を受けているのではないかというくらいマイルドな斜度の九十九が穏やかな林中に続いているのが印象的だった。

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その後R476をひたすら進む。よく考えたら京都のサイクリストに馴染み深いR477の一個前の国道なんだなぁと思うと親近感が湧いた。

マップル上では紫でおすすめされてはいなかったが、後半の小さな峠越えは、2つ目のトンネルを出た先に越前大野の平野がドーンと広がっているのは予想外で感動した。

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嶺方峠みたいなサプライズだった。この道は良いです。あと、途中においしい水が湧いていて、水不足だっただけにとても救われた。

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こういう、地元の人が使うようなスポットで思いがけず恩恵を受けて旅が出来るというのが、自転車ツーリングの魅力でもあるよね。

その後、国道で勝山を一気に走る。大して面白くも無い、平地の国道移動区間を午後に走るので、「向かい風吹きそうで嫌だな」と思っていたが、嫌な予想通り向かい風バンバンでキレそうだった。

で、このサイクリング最後のメインの岩屋林道のふもとに到着。便利なことにコンビニがちょうどあったので休憩。この時点で140km近く走っており、時間は14時30分。

昨晩の時点では、ここに13時くらいに着いてるかなーと思っていたが、リュックのベルト調整でイチイチ止まったこともあり、かなりペースが遅れていた。

ふもとからはるか上に山襞を巻きながら登っていく道が見えて興奮した。

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そして岩屋林道へ突入。

キャンプ場からダートが始まったが、すぐに新し目の舗装に。正直な話、朝イチで行った深坂越えからの110kmほどの間は、MTBの優位性をほとんど発揮できなかった。この岩屋林道にはガレという要素で期待をしていた中で舗装化が進行していることにガッカリ。このままでは「重いリュックを背負った状態で苦しみながら舗装路をMTBで爆走しただけ」になってしまう。

だが途中から流れが変わり、当初予想していなかった程にガレ始めた。

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ガレというか廃道と言うのが正しい。 

ここからはMTBの優位性をフルに発揮して、シクロでは押し一徹な場所を乗車でゴリゴリと登った。幸い、オフロードバイク1台分のスペースはどこも作られていたので、突破口に困ることは無かった。

16時を過ぎても一向にガレ場が続き、この先に下りで使う河内南谷林道の状態などが未知数なため、終電時間の兼ね合いなどで不安を感じなくは無かったが、一転して想像を遥かに越えるガレ具合で、山襞を豪快に巻きまくる林道をMTBで走ることはとても楽しかった。この区間を乗車して楽しみながらツーリング形式で走るのは、MTBにしか絶対に出来ない芸当なので、MTBで来た甲斐があった!ということで今までの努力が報われた気がして嬉しかった。

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そうこうしているうちに頂上に到着。キャンプ場から、2,3回休憩をして90分で着いた。いやー道の感じは、(行ったことないけど)塩◎道路みたいでエキサイティングでした。「北陸の塩◎」を名乗ってもいいと思う林道でした。

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峠に着いた時点で16時30分。秋にツアーをしていたらアウトな時間帯で、情けない話だが、1年で最も陽が長い月だという事実に助けられながら下る。

河内南谷林道に合流するまでの束の間の下りでリアのスポークが折れた。リアのスポークが折れるのはこれで3本目である。明雅屋さんのプロアスリートの前田さんが1年間酷使した上で自分が引き継いだホイールで、元は完組みホイールのはずが、度重なる修理のために明雅屋メカニックの松永さんの手が入りまくり、今や手組みホイールのような扱いと印象を受けている。このこともあって走行に支障が出る程のフレでは無かったのが幸いだった。

河内南谷林道に合流してからは50upほどして、自転車でまだ走ったことの無い石川県に突入。水たまりや落葉落枝が多いものの、幸い全舗装のため快適に下れた。山深く孤立した場所なので、これがガレガレだったら、いつ頃に下界に降りられるか...ということで不安だっただけに、本当に良かった。というか、元はもっと明るい内に下れるだろうということで下調べをほとんど全然していなかった自分が悪いのだけど。

しっかし、こういうコンディションの悪い舗装林道を下る上でも、一文字バーハンドルと油圧ディスクブレーキと太いタイヤのコンビネーションは最高だね。乗り心地、制動の安心感がカンチブレーキのシクロと全然違う。普段の京都生活では、意図して舗装路をMTBで下る局面がほぼ無いために、ツーリングではこうした点にも気付けるのが面白い。

川沿い微ダウン、体感かなり長めの林道を下って、ようやく人の営みを感じる県道に合流。

だが相変わらず山深く、そこからダム沿いを走って山中温泉まで行く道のりは相変わらず長く感じられた。

結局18時に道の駅山中温泉に着いて、風呂に入ってから大聖寺駅へ。風呂のあとも10kmは走ならなければならないので、風呂では仮眠せずに向かった。

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終電も3回乗り換えがあり、眠ってしまうとアドレナリンが切れて牛のような歩みしか出来なくなることは経験上分かっていたので、ガッツリ眠らないようにして終電輪行を無事に終えた。

 

実はこのサイクリングは、ルートラボで距離を調べることも無く、サイコンも無く出掛けたので、こうして帰ってきてから距離を調べるのは、順番が間違っているが「何キロ走ったのかな」というワクワク感があって、それはそれで面白いな、と思った。ともあれ、そろそろサイコン買おうかな...。