9/24 出張朝ライド(?)in尾鷲 part2
R42を登っていく。
雨は今にも降りそう。
途中で架かっている橋の旧道をみつけたので入ってみる。崩落で路面に供給されたと思われる多量の岩が、ユンボなどの重機でならされている。
MTBにおあつらえ向き過ぎる路面に思わずニヤリ。
しかもこの区間の最後には特に径の大きな岩のみで構成されたテクニカルなドロップオフが。
アトラクションとしてみるととても楽しい。
この旧道が現道に戻ったすぐ先に、目当ての矢ノ川峠への分岐が。
ここらで雨が降り出す。
雨中走行の経験に極端に乏しく、雨の中ツアーするのが大嫌いな自分だが、ここで引き返しては尾鷲まで何をしにきたのかということになるので、とりあえず峠越えだけはマストとして道を進む。
道はしまったダート。
想像以上に整備が進んでいる。
苔むした駒止めなどを見ると、時の流れを感じると共に、この道が現役だった60年前の人たちと同じ景色を共有している気分になる。この感覚こそが、自分が旧道や古道を好む理由のひとつである。
そんな道を、彼らと同じく車両に乗って越えられるなんて贅沢だ!
旧国道峠が両側ともダート状態で残されていて(これ重要)、かつ自転車に乗って突破できる場所は全国ではあまり多くない。
その中で、ゲート封鎖されておらず自動車でも越えられる峠は本当に少ない。R19鳥居峠やR162堀越峠くらいではないだろうか。
旧国道は想像以上に山深い(むしろこの山深さこそが紀伊半島らしいのだが)中を通っていく。
途中には隧道も5つほどある。
最後の隧道が特に趣深いのだが、雨がザーザー降りな上にとても暗くて写真が撮れなかった。
上からの水と下からの水しぶきで、全方位からシャワーを浴びながら峠へ漕ぐ。
ここまでくると、雨を憎む心も失せてむしろ愉快になってくる。カッパを着ていたとしても、中の服まで浸水せずに進むことは不可能だろう。そう思うと、レージャーレーパン一丁でザンザン降りの雨の中を走るのは、むしろ合理的にすら思えてきた。
途中で雷も鳴り出す。
最近観た映画「君の名は。」にも、主人公がこれとほぼ同じ状況で山道を進むハメになるシーンがあった。
3年前の先輩の写真では、道の途中までユンボが整備して岩をのけていたが途中から峠まで廃道になっていた。
だが、廃道化していたときの写真と同じに見えないくらいきれいな路面で峠に到着することができた。R162旧堀越峠のようだ。なお、途中にあった数台の廃車も撤去されていた。
標高800mちょっとの峠からは熊野灘も見えるはずだったが、雨で霞みご覧の有様。
山深い中の旧国道のダイナミックなダート路を味わえたことに満足して、いよいよ廃道区間の熊野側の下りへ。
大きな岩がゴロゴロしていて、ツアー用シクロでは押し安定の道である。
だが、今回はこのセクションを乗車で突破するためにMTBで来たのである!
MTBの機動性と悪路走破能力を以ってこの廃道化した下りにチャレンジするのもまた、今ツアーの目的のひとつだ。
(続きます)